資生堂の研究に分ったシミができる原因2
シミのある肌の基底層では、細胞分裂能力が低下
資生堂が更に研究し2009年の発表によると、何年も前から居座っている古いシミについて分かったことがあるのです。
古いシミのある表皮の深層である基底層では、メラニンを蓄積したケラチノサイトの分裂が通常とは異なっていて、
通常の1/6程度しか細胞分裂していなかつたのです。
どうやら表皮の深層である基底層で、多くのメラニンを含んだケラチノサイトは分裂する能力が低下しているのです。
この細胞分裂低下を招いているのは、細胞分裂を制御している遺伝子が活動できない状態になっているという事実をも資生堂の研究から分かりました。
もう遺伝子レベルの話になっている。
できてしまったシミをケアするのがいかに大変か分かりますね。
このことから肌の生まれ変わりであるターンオーバーがただ単に乱れてシミができているのではないことが分かったのです。
以上のことは、今から10年近くも前に分かったことなのに
まだまだ他サイトでは、シミができる原因は紫外線などの刺激誘引物質だとか、
ターンオーバーの乱れによるものだと説いています。
いかにいい加減か分かりますね。
ケアしているのにシミが薄くならない理由
これは2011年に発表されました。
シミができる肌の中では、メラニンが増えます。
これによってメラニンを更に作るようにシグナルを出す細胞が増えてしまい
メラノサイトが、更に多くのメラニンを生成してしまいます。
メラニンを生成するようにシグナルを出す細胞が増えて、
またより多くのメラニンを生成してしまうと言う黒化スパイラル状態になってしまいます。
これによってケアをしていてもシミが薄くならないのです。
メラニンが増えるとメラニンを生成するようにシグナルを出す細胞が増えてしまうのは、
先ほど述べたようにメラニンが蓄積したケラチノサイトは、細胞の分裂が低下してしまいます。
その代わりに別のケラチノサイトが、通常では考えられない細胞分裂を繰り返してしまうのです。
結果的にメラニンを生成させようとするシグナルを出すケラチノサイトが増えてしまいいます。
これがエンドレスに続いてしまいメラニンが生成され続けられるのです。
この状態を資生堂では、黒化スパイラル状態と呼んでいます。
このような悪循環が、いつまでも残るシミの原因となっていたのです。
しかし体の仕組みって面白いですね。
メラニンを含んだケラチノサイトの細胞分裂が低下してしまうと、
他の細胞がそれを補うかのように過剰に細胞分裂をしてしまうなんて。
シミのケアには時間をかける必要があるようですね。
ケアしているのにシミが消えない理由
これは2013年に発表されました。
シミが消えない理由は表皮だけでなく表皮と真皮の間で壁となっている基底膜に原因があったのです。
これも資生堂が、更に研究を進めた結果分かったことになります。
基底膜の成分の一つであるヘパラン硫酸が減少すると、真皮で産生されるシミ増殖因子を表皮に流入させてしまい、
メラニンを生成するメラノサイトを活性化させてシミとなってしまうのです。
このようにメラニンが生成される流れを資生堂では、アンダーメラニンルートと呼んでいます。
しかし真皮がシミ増殖因子を産生してしまうなんて今まで考えられなかったことです。
これは真皮に存在している線維芽細胞がシミ増殖因子を産生するのです。
そして基底膜の成分であるヘパラン硫酸が、シミ増殖因子の表皮への流入をコントロールしているのです。
ヘパラン硫酸が減少してしまえば、表皮にシミ増殖因子が流入してしまいメラニンを作るメラノサイトを活性化させてしまうのです。
シミがある肌とない肌の違い
これは2015年に発表されました。
シミのない角層は層の数が少なく、表面は平たんで水平な層状になっています。
シミのある角層は層の数が多く、表面は滑らかでなく、
角層細胞同士が複雑にからみ合い、はがれにくくなっている事が分かりました。
シミになっている部分の角層層数が多いってどういうことでしょう。 これについては資生堂では発表されていないようです。
考えられるのは2つですかね。 1つ目は、シミになっている部分の皮膚は、ターンオーバーが早くなっている。 2つ目は、ターンオーバーが遅くなっているがはがれにくくなっているため、層数が多くなってしまう。
私としては、2つ目のように感じますが、資生堂では発表されていません。
表皮がなめらかな状態ならシミができにくい状態になっているということになるのでしょうか?
参考URL:https://www.shiseido.co.jp/haku/laboratory/evolution.html